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ニキビ

尋常性ざ瘡とも呼ばれるニキビは、細菌や過剰分泌された皮脂により発症する炎症性皮膚疾患の一種です。一般的に思春期に出るものを尋常性ざ瘡と呼び、それ以外のニキビは吹き出物や大人ニキビと呼ばれます。

皮膚は数ヶ月単位でターンオーバーを繰り返し、古い皮脂や老廃物を外に押し出しますが、加齢やストレス、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れなどで皮脂が溜まると細菌が増殖し、炎症を招きます。皮脂の分泌が多いおでこ(前額部)や頬、口周り、顎によく出やすく、胸部や背中にもできることがあります。

ニキビの予防・治療には、低刺激のスキンケアが基本とされます。腫れや痛みを起こしているニキビについては、症状の重さに応じて治療方法が異なります。軽度の場合は薬を使った自己治療から始め、重度の場合はクリニックでの専門機器を用いた治療を検討することもあります。

ニキビの症状

ニキビを発症しやすい箇所

発症が多い部位

  • Tゾーン(おでこ、眉間、鼻筋)
  • Uゾーン(頬、顎)
  • 胸、背中など

自覚症状

  • 毛穴を中心に多数の皮疹が発生する。
  • 症状が悪化すると皮疹が炎症を伴って赤くなり、内部に膿が溜まり始める。

発症の条件

以下の要素に当てはまる時期に発症しやすい。

  • ホルモンバランスが大きく乱れている
  • 生活習慣が不規則になっている
  • ストレスや肉体的な疲労が溜まっている

勘違いしやすい疾患

  • 【毛嚢炎】毛根部分に出る炎症で傷口にブドウ球菌が感染して腫れる
  • 【おでき】毛穴の内部や皮脂腺に黄色ブドウ球菌が感染して起こる腫れ
  • 【稗粒腫】目の周りに1~2ミリくらいの大きさでできるポツポツで表皮嚢腫の一種

ニキビには思春期から青年期に多く発生する思春期ニキビと、大人になってから生じる大人ニキビの2種類があります。

顔や胸、背中に出やすく、特におでこから鼻にかけてのTゾーンや頬から顎にかけてのUゾーンに多く見られ、放置してそのまま治ることはほとんどありません。。

Tゾーン(おでこから鼻)に出るニキビ

おでこや眉間、鼻筋に現れるニキビは思春期に多く、皮脂の増加に伴い肌表面が油っぽくなる特徴があります。

顔の中でもおでこや鼻は皮脂腺が多い箇所で、ホルモンバランスが崩れる思春期に皮脂分泌量が増え未発達の毛穴に皮脂が詰まりやすくなるため発生が増えると言われています。

大人になってTゾーンに出た場合は、前髪がおでこに与える刺激や整髪料の刺激、流しきれないシャンプーが原因になり起こります。

Uゾーン(頬から顎)に出るニキビ

フェイスラインにできるニキビは、Tゾーンの皮脂過剰分泌とは異なり、乾燥やホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、肌表面が乾燥して色合いが悪くなるという特徴があります。

フェイスラインは本来、汗腺が少なく、水分不足になりやすいため、肌の乾燥が起こりやすい部位です。保水機能が低下すると、皮膚細胞の代謝も弱まり、毛穴に角質が蓄積し、水分不足を補うための皮脂分泌が増えてニキビなどの肌トラブルを引き起こします。

女性は、特に月経周期後半のホルモン分泌が変化するタイミングで、フェイスラインにニキビができることが多いとされています。また、女性の顎は男性ホルモン受容体が多くあり、ストレスで男性ホルモン分泌が活発になると顎ニキビが増えることがあります。

Uゾーンのニキビは悪化しやすく、特に頬は炎症が広がり、治療後に肌がボコボコになるリスクが高いため、適切なケアが必要です。この部位は隠すのが難しいため、ファンデーションを厚く塗りがちですが、これによって毛穴がさらに詰まり、症状を悪化させる悪循環が起こりやすいため、注意が必要です。

胸や背中に出るニキビ

胸や背中にできるニキビは、多くの場合、汗や皮脂汚れが蓄積して発生すると言われています。 胸部や背中には、皮脂腺が多く、アクネ菌も増えやすいため、特に胸の下や背中の中心部分は、入浴時の洗い残しなどがニキビの原因になります。

胸元は皮膚が薄く、刺激に弱く肌荒れが起こりやすいため、入浴時には優しく洗ったり、うつ伏せで寝る癖を変えることで改善することがあります。また、身につけているアクセサリーが刺激になっていることもあるため、治療薬を使用している場合は、肌に直接アクセサリー類が触れないようにすることが有効です。

ニキビの種類

ニキビの種類は、症状の違いに応じて区別されます。 毛穴が皮脂に詰まった初期状態の白ニキビから、炎症を起こして肌が変色した紫ニキビまで、段階的に変化していきます。それぞれ適切な治療方法も異なるため、自分自身の症状と種類を知ることは、効果的な改善に大いに役立ちます。

白ニキビ

白ニキビは、毛穴が角栓で塞がれ内部に皮脂溜まりができている状態のニキビで、閉鎖面皰(面ぽう)と言われます。白く小さな吹き出物で炎症は出ておらず、アクネ菌の増殖もほとんど見られません。初期段階の症状なので、この時点で抗菌薬でのケアを開始すれば重症化することもなく、ニキビ跡を残さず改善することが可能です。

黒ニキビ

白ニキビの毛穴が開いて内部の皮脂が現れ、内側のメラニン色素が見えることで黒く見えるようになった開放性粉瘤(黒ずみ粉瘤)と言われる状態です。

酸素に触れることで皮脂が酸化し黒くなった状態で、白ニキビと同様に炎症はありませんが、悪化しやすいため迅速な処置が必要です。

赤ニキビ

黒ニキビから症状が進行すると、炎症を起こして赤く腫れた赤色丘疹になります。赤ニキビは皮脂が増加しアクネ菌が大量に繁殖することで引き起こされ、サイズは大小さまざまですが、大きなものは治りにくく厄介です。

中等症に分類され一般的な皮膚疾患として認識される赤ニキビは、抗生物質薬の治療が有効です。

黄色ニキビ

アクネ菌の増殖が進み、炎症がよりひどくなり、膿がたまっていくと黄色ニキビになります。

重症化した黄色ニキビは盛り上がっており、ニキビ跡が残りやすく、アクネ菌が毛包壁を破壊し炎症を周囲に広げていくため、自然に治すことは困難です。また、軽い刺激でも破裂しやすいため、発症したら触れずに治療を進めることが重要です。

痛みと腫れが強い症状ですが、内服タイプの抗菌薬や外用薬、ケミカルピーリングといった治療が有効です。

紫ニキビ

黄色ニキビが悪化して毛穴内に膿が溜まり、内出血が起こして重症化した状態を紫ニキビと呼びます。

皮膚の深部に炎症が起きることで内部に膿がたまり、広範囲にわたって腫れる嚢腫が生じ、強い痛みを伴うことがあります。大きな赤く腫れた嚢腫が5個以上ある場合は嚢腫性(深在性)ざ瘡と呼ばれ、嚢腫同士が結合し結節になって、さらに大きくなる可能性もあります。

紫ニキビは、色素沈着が出るほか、最終的には合併症を発症してニキビ跡や内出血による赤み、デコボコが残ることがあります。早期に治療しないと、治りにくいニキビ跡が残る可能性もあります。

ニキビの原因

大人ニキビや思春期ニキビといった違いはありますが、基本的にニキビの原因は次の3つです。

  • 毛穴の詰まり
  • 皮脂の過剰分泌
  • アクネ菌の異常増殖

ニキビの発症要因は、毛穴内部に古い皮膚細胞の角質や乾燥した皮脂が溜まったり、皮脂を栄養とする細菌の異常増殖などが挙げられます。

通常であれば、皮膚細胞の新陳代謝が進む過程で死んだ皮膚細胞は角質(垢)となって自然に剥がれていき、新しい細胞に変わっていくターンオーバーが繰り返されていきます。同時に、皮脂腺から生成された皮脂は毛穴を通じて皮膚表面に分泌され、肌の保護や保水の働きを担い健康な肌状態を保ちます。この状態であればニキビが出ることはありません。

しかし、何らかの原因でターンオーバー機能が弱まり、細胞の新陳代謝が正常に行われなくなると、角質が排出されず毛穴内部に溜まり、皮脂と結合して毛穴詰まりを起こす角栓を形成します。角栓で毛穴が塞がれると、皮脂の放出も妨げられるため、内側に溜まって白ニキビになります。

さらに、毛穴内に皮脂が溜まると、在中菌であるアクネ菌の過剰な増殖につながります。本来であればアクネ菌は皮脂を分解しますが、過剰に増えると、皮膚に炎症を起こす物質を多量に分泌し、腫れを誘発します。

おでこや鼻、胸、背中は皮脂の分泌が多いため、アクネ菌が繁殖しやすい環境です。そのためニキビができやすく、発生場所が深いほど重症化しやすいため皮膚の健康状態を保つことが重要です。

ニキビの発症・悪化につながる要因

ニキビは毛穴詰まりや皮脂の分泌、細菌の繁殖が原因とされていますが、これらを引き起こす要因は以下の4つです。

ビタミン不足

ビタミン類は美肌にとって重要な栄養素です。例えば、ビタミンCはコラーゲン生成に必要なタンパク質の1/3を構成し、肌の潤いに欠かせない役割を果たします。また、ビタミンB群は脂質の代謝を活性化し、皮膚の健康を保つために必要な分泌をコントロールする作用があります。ビタミンAも、毛穴の詰まりを解消し、皮膚や粘膜細胞の保水効果を維持する働きがあります。

近年の研究によると、ビタミン不足は老化を招くことが分かっています。ビタミン類は体外への排出が早いものも多く、不足を補うためには毎日の食事で細かく摂取することが必要です。

ストレス

ストレスは、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下を引き起こし、ニキビの原因となることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスは、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下を引き起こし、ニキビの原因となることがあります。

紫外線

紫外線は、皮膚のバリア機能を低下させ、皮脂の分泌を促進するため、ニキビの発生や悪化を引き起こす可能性があります。

以上のように、ビタミン不足やホルモンバランスの乱れ、ストレス、紫外線は、ニキビの発症・悪化につながる要因とされています。

大人ニキビと思春期ニキビ

一般的なニキビは、10代半ばからの思春期に発生する吹き出物のことであり、思春期ニキビとも呼ばれます。一方、成人してから現れる吹き出物は大人ニキビと呼ばれますが、呼び方が変わっただけで症状は変わりません。

ただし、思春期ニキビと大人ニキビでは、発生する時期だけでなく、原因や発生箇所が全く異なります。特に大人ニキビは、跡に残りやすく新陳代謝が低下するため、思春期の頃と異なるスキンケアの方法が必要になります。

思春期のニキビは、成長に伴ってホルモンバランスの変化により、皮脂の分泌が増加することが原因で発生します。一方、大人ニキビは、日頃のスキンケア、ストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、喫煙など複数の要因によって引き起こされます。そのため、それぞれに対応したケアが必要になります。思春期の頃にはニキビができなかった人でも、大人になってからニキビができることがあります。大人ニキビは、適切なスキンケアとライフスタイルの改善によって予防することができます。

思春期ニキビの特徴

10代の半ばから後半にかけて現れる思春期ニキビは、大半が成長期による皮脂の過剰分泌で生じます。脂っぽい肌質の人に特に多く、毛穴に皮脂詰まりが起こりやすくなり、常在菌でありニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖しやすくなると言われています。

思春期ニキビはTゾーンと呼ばれる額や鼻周辺など皮脂の分泌が多い部分にできやすく、肌質によってはTゾーンを中心として顔全体に広がることもあります。

思春期ニキビの特徴として、白色や黄色の先端がある白ニキビや、黒い点が見られる黒ニキビが多く見られます。また、季節的には春から夏にかけて多く見られますが、ホルモンバランスの安定する20代前後になれば思春期ニキビは出なくなることがほとんどです。

思春期ニキビの原因

思春期ニキビの主な原因は、ホルモンバランスの変動による皮脂の過剰分泌です。男性ホルモン「アンドロゲン」は、思春期の成長過程で皮脂の分泌を増やす働きがあり、ニキビの発生を増加させる一因となっています。

また、生活習慣もニキビの原因になります。糖分や油分の多い食生活、ストレス、睡眠不足などはホルモン分泌の異常と皮脂の過剰分泌を引き起こす可能性があり、ニキビの発生を増加させる原因となります。

本来、皮脂は肌のバリア機能を持つものですが、過剰になると肌のターンオーバー時に全て排出されず、毛穴の中に溜まって詰まりの原因になります。古い皮脂は空気に触れると酸化し、アクネ菌の増殖を促すため、ニキビの発生を増やしたり、肌荒れを引き起こしたりすることがあります。

思春期ニキビの仕組み

大人ニキビの特徴

20代以降にできるニキビは、思春期ニキビと異なり、顔だけではなく背中や肩、胸などの体にもできやすい性質があります。発生原因も多岐にわたり、皮脂の過剰分泌だけでなく、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れなどが関与しています。

顔は、Uゾーンと呼ばれる、口の周りやあご、頬などに多く、皮脂の少ない体毛が生えた箇所にも出ることがあります。発生時期は冬に多く、夏の紫外線で厚くなった角質が冬の乾燥でニキビに変化しやすいためと考えられています。そのため、スキンケアは夏だけではなく、年間を通して紫外線対策や乾燥対策を行うことが重要です。

また、古い角質を除去することで毛穴を清潔に保つことができ、ニキビの発生を予防できます。角質ケアは、入浴後に肌が柔らかくなった状態で行うことが一番効果的です。ただし、肌質に合ったスキンケアを選ぶことが大切です。

大人ニキビの原因

思春期ニキビとは異なり、大人ニキビは過剰な皮脂分泌だけでなく、乾燥肌やストレス、疲労など心身の不調によっても引き起こされます。これらの要因がターンオーバーの乱れやバリア機能低下を引き起こし、大人ニキビが発生する原因となります。

肌の角質層が乾燥するとバリア機能が低下し、角栓を作りやすくなり毛穴が詰まりやすい状態になります。この状態が続くと、大人ニキビが発生するリスクが高くなります。

ただし、洗顔を頻繁に行うだけで大人ニキビを防げるわけではありません。思春期の肌は代謝が高く、回復力もあるため、ニキビが早く治ることが多いのに対して、大人の肌は代謝や免疫が衰えているため、治りにくく跡に残りやすいと言われています。

また、洗顔を過剰に行ったり、保湿不足になると、大人ニキビを悪化させる可能性があるため、正しい方法でスキンケア用品を選ぶ必要があります。肌質や環境に合わせた適切なスキンケアを行うことが大切です。

大人ニキビの仕組み

ニキビの治療方法

大人ニキビは、治りにくく跡が残りやすいと言われています。思春期ニキビと比べると、新陳代謝が低下しているためです。

肌は、古い角質を排出して新しい皮膚を生成する働きがあります。このプロセスをターンオーバーと呼びます。ニキビ跡があっても、ターンオーバーが活発な場合は、徐々に消えていきますが、年齢が上がるとターンオーバーの機能は低下し、周期が長くなっていきます。また、ストレスや生活習慣の乱れも、ターンオーバー機能を低下させます。そのため、再生が追いつかず、シミのようなニキビ跡が残ることがあります。

現在、皮膚科や美容クリニックで一般的に使用されている治療法は、抗菌薬とアダパレン、もしくは過酸化ベンゾイルの併用です。使用される薬は、塗るタイプの外用抗菌薬や経口タイプの抗生物質、尋常性ざ瘡治療薬などです。ピーリングを促す薬剤もあります。ただし、治療法は個人によって異なりますので、専門医のアドバイスを受けることが重要です。

治療薬によるニキビ改善

ニキビの治療に用いられる薬剤の中で、最もよく使われているのはアダパレンです。医療機関での尋常性ざ瘡(ニキビ)治療ガイドラインでも、アダパレンは最も高い推奨度のA評価を受けており、軽度から重度までほぼすべてのニキビに対して有効です。

軽度のニキビには、抗菌作用のある塗り薬である過酸化ベンゾイルが処方されることもあります。また、深刻なニキビの治療では、アダパレンと併用することも珍しくありません。

思春期ニキビの原因

思春期ニキビの主な原因は、ホルモンバランスの変動による皮脂の過剰分泌です。男性ホルモン「アンドロゲン」は、思春期の成長過程で皮脂の分泌を増やす働きがあり、ニキビの発生を増加させる一因となっています。

また、生活習慣もニキビの原因になります。糖分や油分の多い食生活、ストレス、睡眠不足などはホルモン分泌の異常と皮脂の過剰分泌を引き起こす可能性があり、ニキビの発生を増加させる原因となります。

本来、皮脂は肌のバリア機能を持つものですが、過剰になると肌のターンオーバー時に全て排出されず、毛穴の中に溜まって詰まりの原因になります。古い皮脂は空気に触れると酸化し、アクネ菌の増殖を促すため、ニキビの発生を増やしたり、肌荒れを引き起こしたりすることがあります。

ピーリング剤による治療

赤ニキビから進行した炎症性ニキビの治療においては、ピーリング剤と外用抗菌薬のクリンダマイシンを併用することで、治癒効果を早めることができます。

クリンダマイシンは、アクネ菌やブドウ球菌などのニキビの原因菌の繁殖を抑え、炎症や化膿を緩和する作用があります。尋常性ざ瘡(ニキビ)治療ガイドラインでは、ピーリング剤と併用療法が推奨されており、クリンダマイシンを含有するクリアウィンやダラシンTゲルが使用されます。

また、経口抗菌薬のドキシサイクリンやミノサイクリンも推奨されており、医療機関で処方されることもあります。ただし、炎症の重さによっては抗生物質を長期間使用する必要がある場合もあります。

抗炎症作用もあるため、クリンダマイシンは炎症の緩和にも効果があります。ただし、抗生物質の乱用は耐性菌の発生を促すことがあるため、適切な使用が必要です。

抗生物質併用による治療

思春期ニキビとは異なり、大人ニキビは過剰な皮脂分泌だけでなく、乾燥肌やストレス、疲労など心身の不調によっても引き起こされます。これらの要因がターンオーバーの乱れやバリア機能低下を引き起こし、大人ニキビが発生する原因となります。

肌の角質層が乾燥するとバリア機能が低下し、角栓を作りやすくなり毛穴が詰まりやすい状態になります。この状態が続くと、大人ニキビが発生するリスクが高くなります。

ただし、洗顔を頻繁に行うだけで大人ニキビを防げるわけではありません。思春期の肌は代謝が高く、回復力もあるため、ニキビが早く治ることが多いのに対して、大人の肌は代謝や免疫が衰えているため、治りにくく跡に残りやすいと言われています。

また、洗顔を過剰に行ったり、保湿不足になると、大人ニキビを悪化させる可能性があるため、正しい方法でスキンケア用品を選ぶ必要があります。肌質や環境に合わせた適切なスキンケアを行うことが大切です。

治療薬以外のニキビ治療

  • ケミカルピーリング
  • 面皰圧出
  • レーザー

ケミカルピーリングは、弱酸性薬剤を肌に塗布して古い角質や毛穴汚れを除去するスキンケア治療です。 肌の細胞に刺激を与えてターンオーバーを活発にするため、ニキビ治療だけではなく小じわや黒ずみなど総合的な肌トラブルの改善に有効として近年注目が集めています。痛みや、角質が自然にはがれ落ちるまでに必要なダウンタイムもほとんどありませんので、施術の時間を20〜30分程度に短縮でき忙しい方に適しています。

ただし薬剤を使用する治療法のため、アトピー性皮膚炎や敏感肌など肌トラブルの出やすい方には向きません。そのため、治療の際は医師に相談をする必要があります。 面皰圧出は、コメドと呼ばれる米粒に近い塊の入った毛穴を押し出す初歩的な治療方法です。 ニキビの悪化につながる皮脂や膿を前もって除去できるため炎症を起こすことなく治療可能で、さらに保険適用されていることから皮膚科で広く使われています。

自宅での施術はアクネプッシャーという器具で行いますが、その際は毛穴に雑菌が入り込まないように注意してください。炎症が悪化したりニキビ跡が残るリスクがあります。また、炎症がすでに出ている赤、黄ニキビや内出血を起こしている紫ニキビにも使用できません。

レーザーは肌に極小の穴を開けてレーザー光の熱エネルギーにより、膿や皮脂を溶かすニキビ治療方法です。

殺菌効果が高く困難なニキビや内出血の跡を消すために用いられ、ケミカルピーリングや治療薬など他の治療法との併用が多くされています。レーザーでも出血する心配はありませんが、妊娠している方やその可能性がある方、授乳中の方は施術を受けられません。

日常的にできるニキビ予防・ケア

スキンケア

ニキビを予防し、悪化させないためには、日常的なスキンケアが必要不可欠です。

紫外線対策のUVケアは、ニキビを作らないために重要ですが、ケアクリームをしっかり落とさないと毛穴詰まりの原因となり、ニキビができやすい状態を作ります。また、ファンデーションなどの化粧品も肌に残っていると肌荒れやニキビの原因になるため、正しい洗顔で洗い落とす必要があります。

ニキビを予防するためには、1日2回、キレイな水で洗顔することが大切です。クリームや化粧品だけではなく、洗った後の泡や石鹸なども十分に洗い流してください。また、入浴時に洗顔する場合は、整髪剤やシャンプー、コンディショナーにも注意して、額の生え際などに洗い残しがないようにします。

洗浄後は、乾燥した肌を保護するために化粧水や乳液で保湿ケアを行ってください。

睡眠と軽い運動

不眠症や睡眠時間の不足は、全身の機能低下や精神的な不調を引き起こすことがあります。肌に対しても例外ではなく、適切な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとることで、ホルモンバランスが整い、肌の代謝機能が高まり、ニキビ予防・改善の効果が期待できます。

また、適度な運動も血行を促進し、ストレスを軽減することができます。毎日数分でも軽い運動をしたりストレッチをするだけでも、ニキビ対策につながることが分かっています。

食生活の改善

栄養バランス」は、ニキビの予防や改善に重要な要素です。肌質を良くするためには、ビタミンやミネラルが必要です。ビタミンCは美肌に効果的な成分で、ストレスがかかると体内のビタミンCを消費し肌質が低下するため、こまめに補充する必要があります。

また、肌のターンオーバーを促すビタミンB群や、皮膚細胞の再生や免疫力を向上させるビタミンA、食物繊維など、ニキビ治療に効果的な栄養素をバランス良く摂取することが、ニキビを治癒しやすく、発生しにくい健康的な肌環境を作ることにつながります。

美肌に役立つ栄養素の含まれている食品

  • ビタミンC:レモン、イチゴ、キウイフルーツ、赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー
  • ビタミンB1:胚芽米、玄米、豚肉、うなぎ、豆類、青海苔、焼き海苔
  • ビタミンB2:卵、納豆、レバー、焼き海苔
  • ビタミンB6:マグロ、カツオ、サケ、肉、バナナ、ニンニク
  • ビタミンA:レバー、ほうれん草、ニンジンやカボチャなど緑黄色野菜、チーズ
  • 食物繊維:キノコ類、穀物、イモ類、豆類、野菜、果物、海藻類
  • タンパク質:肉、魚、卵、大豆、牛乳

思春期ニキビと大人ニキビのケア方法

思春期ニキビのケア

成長ホルモンが皮脂分泌を増やすことで生じる思春期ニキビには、肌に合った洗顔料で優しく洗顔し余分な脂を落とす方法が有効です。

ただし、力を入れてゴシゴシ擦って洗うと肌のダメージになるため、十分に泡立てて指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。

食事は特にビタミンB群が豊富に含まれている卵や納豆、レバー、うなぎがオススメです。また、十分な睡眠もニキビ予防に有効です。

大人ニキビのケア

20代以降のニキビは思春期ニキビの治療薬ではさらに乾燥してしまい、ニキビを悪化させることがあります。大人ニキビは、皮脂の過剰分泌ではなく、肌の乾燥やバリア機能の低下が原因で生じることがほとんどです。したがって、保湿が重要なケア方法とされています。洗顔後にセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸など保湿成分に優れたスキンケア用品を使って肌に潤いを与えるようにしましょう。

また、睡眠不足も肌質を低下させ乾燥を招く原因になります。不眠症は気づかないうちになっていることもありますので、スキンケアをしっかりしているのに肌荒れやニキビが治らない場合は、睡眠外来などで睡眠の質を高める相談をすることも推奨されています。

また、食事のバランスを整えることも大切です。欠食や過剰な感触、暴飲暴食が続くと体調そのものに悪影響が出ますので、1日数回の食事でさまざまな栄養をバランス良く摂取するようにしましょう。

肌の元になるタンパク質や新陳代謝を高め皮脂量を調節するビタミンB2・B6、血行促進作用があり肌荒れを解消するビタミンE、便秘改善に効く食物繊維などの他、大人ニキビにはターンオーバーを上げるビタミンAやバリア機能低下を防ぐビタミンB1、そしてビタミンCもニキビケアに有効です。

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