プロペシア

フィナステリド　1mg　でどのくらい持つ？

商品概要

プロペシアは、現在はAGA治療薬として広く使われていますが、もともとは前立腺肥大症の薬として開発されていたものでした。前立腺肥大症とは、名前の通り前立腺が大きくなる病気です。大きくなった前立腺によって尿道が圧迫され、尿が出にくくなったり残尿感が出たりします。

前立腺肥大症が起こる原因ははっきりとはわかっていませんが、男性ホルモンの働きが関係していると考える説が有力です。プロペシアには男性ホルモンの一つであるジヒドロテストステロンの産生を抑える効果があるため、前立腺肥大症に効果があるのではと開発が進められていました。

その後、プロペシアには発毛効果があることもわかり、AGA治療薬として米国食品医薬品局（FDA）の承認を受け、現在のように多くのAGA患者に使用されるようになったのです。

日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、フィナステリドはAGAに対して推奨度A（行うよう強く勧める）に分類されています。推奨度はAからDまで分類されており、プロペシアはもっとも高い推奨度となっていることが特徴です。

ガイドライン上でプロペシアの使用が強く推奨されていることもあり、多くのクリニックでプロペシアが採用されています。

プロペシアは、次のような方におすすめです。

長年の使用実績があるAGA治療薬を使用したい方

AGAの治療薬には、プロペシア以外にザガーロ（デュタステリド）やミノキシジルなどもあります。なかでもとくに古くから使われているのが、プロペシアです。

プロペシアは1991年から臨床開発が開始され、1997年にAGAの治療薬として販売されるようになりました。一方で、ザガーロが発売されたのは2016年、ミノキシジルを含む市販薬は1999年に発売されています。

このように、もっとも使用実績が長く多くの方の治療に用いられているのがプロペシアなのです。長く使われているということは、それだけ効果がきちんとあり、さらに副作用が出にくく使いやすいことを意味しています。

「できるだけ安心して使える薬で治療したい」「AGA患者の多くが使用している治療薬を使いたい」という方には、プロペシアが向いているでしょう。

気長にAGA治療を続けられる方

プロペシアは、残念ながら飲み始めて数日から数週間程度で効果が出るものではありません。一般的に治療効果が目に見えてわかるようになるまで、6か月ほどかかると言われています。

6か月も続けて飲まないと効果がない薬と聞くと、人によっては「本当に効果があるの？」「もっと即効性がある治療を行いたい」と思う方もいるでしょう。実は、効果が出るまでに時間がかかるAGA治療薬はプロペシアだけではありません。ザガーロやミノキシジルも数か月は使用しないと効果を実感しにくいのです。

その理由には、毛周期が関係しています。髪の毛は太く長く育っていく成長期、成長が止まる退行期、抜けていく休止期を繰り返して生えたり抜けたりしていきます。休止期にある髪の毛が成長期に移動するためには2～3か月ほどかかることが一般的です。

休止期から成長期に移動してすぐにフサフサに生えてくるわけではなく、少しずつ時間をかけて成長していきます。そのため、目に見えて発毛効果が実感できるようになるには、6か月ほどかかってしまうのです。

すぐに効果がないからといって治療を投げ出すと、発毛効果は得られません。そのため、プロペシアは、最低6か月は続けて服用できる方に向いています。

多毛症の副作用が起こりにくいAGA治療薬を使いたい方

AGA治療薬の一つであるミノキシジルは、多毛症の副作用を起こす可能性があることで知られています。多毛症とは、髪の毛だけでなく胸や腕、脚など全身の毛が濃くなる症状のことです。詳しい発症頻度についてはわかっていませんが、錠剤のミノキシジルを使用している方の約5人に1人が多毛症を発症すると言われています。

プロペシアと似た作用機序をもつザガーロも多毛症は起こりにくいことで知られていますが、リスクはゼロではありません。AGA治療に用いられているおもな薬のうち、多毛症の副作用について添付文書などに記載がないのはプロペシアのみです。

「髪の毛は増やしたいけど、ほかの毛が増えるのは困る」という方は、プロペシアを選ぶとよいでしょう。

プロペシアの主成分であるフィナステリドを3,927名の男性を対象に12～24か月かけて投与した試験では、投与6か月後の方でも投与24か月後の方でも脱毛部1cm²あたりの硬毛数の増加がプラセボよりも有意に確認されました。

また、フィナステリドを1日1mgと0.2mg投与するグループにわけて411名の日本人男性を対象に48週間投与した試験も行われています。頭頂部の写真撮影によって効果を判定したところ、1mgを投与したグループでは58％の方、0.2mgを投与したグループでは54％の方で軽度改善以上の効果が認められました。

その後、引き続き1mgのフィナステリドを継続して服用してもらったところ、2年間継続した方では68％、3年間継続した方では78％で軽度改善以上の効果が認められています。

このほか、別の日本人男性801名を対象に行った試験では、1日1mgのフィナステリドを5年間続けて服用してもらうことで、写真評価において99.4％の方で効果が見られました。

このように、プロペシアは継続して服用することで高い発毛効果を発揮する薬です。最低でも6か月、効果を持続させたいのなら数年は服用を続けるようにしましょう。

プロペシアは、1回あたり0.2～1.0mgを服用します。1日の服用回数は1回です。どのタイミングで服用しても構いませんが、血液中の薬の濃度を一定にするためにも、できるだけ同じ時間に毎日服用するようにしてください。食事の影響は受けず、また胃に負担をかけることもないため、食前でも食後でも構いません。

プロペシアの有効成分はフィナステリドです。ジヒドロテストステロンを産生する5αリダクターゼには、Ⅰ型5αリダクターゼとⅡ型5αリダクターゼの2種類があります。フィナステリドが阻害するのは、Ⅱ型5αリダクターゼのほうです。

Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼはどちらも同じように見えるかもしれません。Ⅱ型5αリダクターゼは頭皮や脇、ヒゲなどに多く存在しています。一方でⅠ型5αリダクターゼは側頭部や後頭部などに多いことが特徴です。

これまではⅡ型5αリダクターゼのみがAGAの発症に関係していると考えられていましたが、現在は両方が関与していると言われています。プロペシアはⅡ型5αリダクターゼのみしか阻害しませんが、その分効果と副作用のバランスが良く、使いやすい薬として有名です。

プロペシアの副作用としては、次のものが報告されています。

もっとも報告数が多いのは、リビドー減退（性欲減退）です。上記の副作用以外に、重大な副作用として肝機能障害が頻度不明で起こることも報告されています。そのため、プロペシアを服用する際は肝機能に異常がないか確認してもらいながら服用するのがよいでしょう。

勃起機能不全や射精障害などの副作用も起こる可能性があるため、家族計画がある方は要注意です。パートナーがいる方は、よく話し合ったうえで服用しましょう。

併用禁忌

• 特に無し

併用注意

• 特に無し

参考サイト

• プロペシア インタビューフォーム
• リアップの歴史
• Minoxidil
• 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

Q：プロペシアを6か月服用すれば効果はずっと続きますか？

A：プロペシアの効果は永続的ではありません。服用を止めると再びAGAの症状が出てくる恐れがあります。

Q：プロペシアとミノキシジルを同時に服用しても良いですか？

A：プロペシアとミノキシジルは同時に服用しても構いません。併用したほうが治療効果も出やすいと言われています。

Q：プロペシアを服用し始めたら脱毛が酷くなりました。原因はなんですか？

A：服用してから1か月程度で脱毛が見られるようになった場合は、初期脱毛が起こっているのだと考えられます。初期脱毛は一時的なもので、薬がしっかり効いている証拠です。毛周期が整うと脱毛も自然と落ち着いてくるので心配はいりません。