マーベロン/マーベロンED

マーベロン(21錠)とマーベロンED(28錠)どちらがいいの？

商品概要

マーベロンは、デソゲストレルとエチニルエストラジオールを含んだ1相性の低用量ピルです。オランダのオルガノン社により開発されました。

これまでの低用量ピルは、血栓性静脈炎などの静脈系の副作用が起こりやすいことが問題視されていましたが、マーベロンは低用量化されているため、このような副作用が起こりにくくなっています。マーベロンに配合されているデソゲストレルは、エストロゲン作用やアンドロゲン作用をほとんどもたないため、静脈系の副作用が軽減されているのです。

「マーベロン」は21錠の錠剤が入っており、すべて実薬となっています。一方で「マーベロンED」は実薬が21錠とプラセボが7錠セットになった薬です。

どちらも効果は変わりませんが、休薬期間を過ぎても服用の再開を忘れてしまいそうなのであれば、「マーベロンED」のほうが向いているでしょう。休薬期間もプラセボの錠剤を飲むことになるため、「何も飲まない期間」がなくうっかり実薬を飲み忘れてしまうことがありません。

マーベロンは、次のような方におすすめです。

避妊をしたい方

マーベロンは避妊効果のある飲み薬です。デソゲストレルとエチニルエストラジオールの2つの成分の働きにより、脳が「妊娠した」と錯覚するため、排卵が抑制されます。

また、子宮内膜が厚くなるのを抑える効果により受精卵の着床を防ぐことも可能です。このほか、子宮頸管の粘液を濃くして精子の侵入を防ぐ効果もあります。これらの働きにより、マーベロンを服用することで避妊ができるのです。

ただし、マーベロンを飲み始めてすぐに避妊効果が出るわけではありません。一般的には飲み始めて8日ほどで避妊効果が出ると言われています。そのため、飲み始めて8日ほどは低用量ピル以外の方法でも避妊を行うようにしてください。

なお、きちんと毎日服用していれば、休薬期間も避妊効果は持続します。飲み忘れが多い場合は、思うような避妊効果が出ないこともあるので注意してください。休薬期間後はとくに飲み忘れやすいので、心配な方にはプラセボの錠剤が入っている「マーベロンED」をおすすめします。

ニキビを改善したい方

マーベロンは、ニキビの改善にも効果的です。ニキビは、皮脂が毛穴に詰まり、そこでアクネ菌が繁殖することが原因で起こります。

月経前になるとニキビができやすくなると感じたことはありませんか？これは、月経前になると黄体ホルモンの分泌量が増えることが原因です。黄体ホルモンには男性ホルモンと似たような働きがあるため、皮脂の量が増えて顔が脂っぽくなってしまいます。

マーベロンを服用すると、黄体ホルモンの分泌量の変動が少なくなるため、ニキビができやすくなることがありません。また、男性ホルモンを抑える働きもあるため、皮脂の分泌量を減らす効果もあります。皮脂量が減れば自然とニキビができにくくなるため、マーベロンはニキビの改善にも効果があるのです。

なお、すべての低用量ピルがニキビに効くわけではありません。種類によってはかえってニキビが悪化することもあります。ニキビができやすい方は、ニキビと相性の良い低用量ピルを選ぶことが大切です。

飲み間違いが少ない低用量ピルが欲しい方

一方で3相性の低用量ピルは、実薬に含まれるホルモン量が3段階にわかれています。飲む順番を間違うと十分な避妊効果が出なかったり副作用が出やすくなったりすることがあるため、注意が必要です。

1相性と3相性の低用量ピルにはそれぞれメリットやデメリットがあります。飲み間違えのリスクを最小限にしたい方には、1相性の低用量がおすすめです。なお、3相性の低用量ピルはホルモンバランスを自然な状態に近づけることができるため、不正出血が起こりにくいと言われています。

国内第Ⅲ相長期投与試験の結果によると、マーベロンを服用した992例のうち、妊娠例はわずか1例でした。これは、避妊効果が99.9％あることを意味します。ただし、服用した当日から避妊効果が現れるわけではありません。効果が出るまで8日ほどかかるため、最初のうちは必ずコンドームなどを使った避妊も行ってください。

また、マーベロンだけでもかなり高い避妊効果がありますが、性病の予防をするという観点からも、コンドームも併用して避妊を行うのが推奨されています。

避妊以外にも、マーベロンは月経痛の軽減や月経周期の安定、ニキビの改善にも効果的です。マーベロンを服用すると子宮内膜が厚く育つのを抑えられるため、月経痛を緩和できます。

また、休薬期間に入ると月経が来るというサイクルができるため、月経周期を安定させることも可能です。ホルモンバランスの変化を抑える効果があることから、ニキビの改善にも効果があります。

マーベロンには、21錠入りの「マーベロン」と、28錠入りの「マーベロンED」とがあります。「マーベロン」を服用する場合は、21日間連続して1日1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。22日目から28日目は休薬期間なので何も服用する必要はありません。

「マーベロンED」の場合も、最初の21日間は白色の錠剤を1日1回1錠、毎日決まった時間に服用します。その後、緑色の錠剤を7日続けて服用してください。服用期間は合計で28日となります。通常、休薬期間もしくは緑色の錠剤を服用している期間に月経が来ることがほとんどです。

マーベロンの主成分は、デソゲストレルとエチニルエストラジオールです。避妊効果をもたせつつ副作用ができる限り起こらないようにホルモンの含有量をぎりぎりまで少なくしてあります。デソゲストレルは黄体ホルモン、エチニルエストラジオールは卵胞ホルモンと同じ働きをする成分です。

これらの成分が働くことで体が妊娠したときと同じような状態になり、排卵を抑制したり子宮内膜が厚くなるのを抑えたりすることで避妊効果を発揮します。デソゲストレルは第3世代の黄体ホルモン成分で、男性ホルモン様作用が弱く、さらに不正出血を起こしにくいことが特徴です。

マーベロンの副作用としては、次のものが報告されています。

承認時の臨床試験では、副作用が起きたのは1,011例中258例（25.5％）でした。使用成績調査では、2,932例中707例（24.1％）で報告されています。上記の副作用以外に、重大な副作用として血栓症が現れることがあるため、注意しながら服用しましょう。

下肢の痛みや浮腫、息切れや胸痛、激しい頭痛などが出現した場合は血栓症が起きている可能性があるため、なるべく早めに医療機関を受診してください。

併用禁忌

• 特に無し

併用注意

• 副腎皮質ホルモン（プレドニゾロン等）
• 三環系抗うつ薬（イミプラミン等）
• セレギリン塩酸塩
• シクロスポリン
• テオフィリン
• オメプラゾール
• リファンピシン
• バルビツール酸系製剤（フェノバルビタール等）
• ヒダントイン系製剤（フェニトインナトリウム等）
• カルバマゼピン
• ボセンタン
• モダフィニル
• トピラマート
• テトラサイクリン系抗生物質（テトラサイクリン等）
• ペニシリン系抗生物質（アンピシリン等）
• テルビナフィン塩酸塩
• n-RH誘導体（ブセレリン酢酸塩等）
• 血糖降下剤（インスリン製剤、スルホニル尿素系製剤等）
• ラモトリギン
• モルヒネ
• サリチル酸
• HIV感染症治療薬
• HIVプロテアーゼ阻害剤（ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、ダルナビル等）
• 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤（ネビラピン）
• エファビレンツ
• エトラビリン
• HCV感染症治療薬（アスナプレビル）
• グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル
• フルコナゾール
• イトラコナゾール
• ボリコナゾール
• アセトアミノフェン
• セイヨウオトギリソウ含有食品

参考サイト

• マーベロン インタビューフォーム
• 国内第Ⅲ相長期投与試験（試験①）及び避妊効果・安全性ならびに実用性の検討（試験②及び③2試験） – OrganonPro – Japan

• 医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)

• 経口避妊剤 デソゲストレル・エチニルエストラジオール錠 注意

• KEGG

• 日本医薬情報センター
  
  

Q：マーベロンを飲み忘れたらどうすればよいですか？

A：飲み忘れたのが1～2日だけであれば、気がついた時点で1錠を服用し、当日分もいつも通り服用してください。3日以上飲み忘れた場合は、服用を中止して次の月経が来たタイミングで再び服用を始めます。

Q：マーベロンで太ることはありますか？

A：体重増加の副作用が報告されているため、太る可能性があります。ただし、体重増加の発生頻度は0.1～5％未満ですので、高頻度で起こるものではありません。

Q：「マーベロン」と「マーベロンED」で効果に違いはありますか？

A：プラセボ薬が入っているかどうかの違いだけで、効果に違いはありません。