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バイアグラ成分「シルデナフィル」とは?効果や飲み方などを解説

シルデナフィルは、ED(勃起不全)治療や肺動脈性肺高血圧症治療に使用される有効成分です。ED治療薬としては世界初の製品「バイアグラ」として、また肺動脈性肺高血圧症治療薬としては「レバチオ」として知られています。ファイザー社の特許期間が終了した後、多くのジェネリック医薬品が市場に登場しています。

ED治療薬としてのシルデナフィルは、勃起を抑制する物質の活動を抑えつつ、血管を拡張し陰茎への血流を促進することで、正常な勃起をサポートします。経口摂取後、約30分で体内に吸収されますが、効果を発揮するためには性的興奮が必要です。

シルデナフィルは強い勃起効果を得られますが、使用時には副作用や禁忌事項の存在を理解し、注意を払うことが重要です。

  

シルデナフィルの効果

  • ED(勃起不全)の改善 通常通りの勃起を促し維持させる効果があります

シルデナフィルは正式にはシルデナフィルクエン酸塩と呼ばれます。この成分は摂取後約1時間で体内に吸収され、勃起を鎮める物質の活動を抑制しつつ、陰茎への血流を増加させることで、正常な勃起を促進し維持します。

シルデナフィルは勃起を維持するだけでなく、陰茎の硬度を保つ作用もあり、中折れを予防する効果も期待できます。心因性ED(精神的ストレスが原因の勃起不全)、器質性ED(心血管系など身体的な問題が原因)、およびこれらの両方から生じる混合性EDに対して効果が認められています。

服用後は約5時間効果が続き、満足のいく性行為をサポートすることができます。

シルデナフィルは脳神経系に作用する成分ではないため、性欲増進の効果は期待できません。バイアグラやそのジェネリック医薬品など、シルデナフィルを含む製剤は性的刺激を受けた際に勃起を促進する役割を果たします。シルデナフィルの効果が持続している間は性的興奮によって勃起が可能ですが、刺激がなくなると自然に勃起は収まり、体への負担はありません。

シルデナフィルは、もともと狭心症の治療薬として研究されていましたが、その用途では十分な効果が得られませんでした。しかし、試験参加者が試験薬の返却を渋ったことから、勃起促進効果が認められ、ED(勃起不全)治療薬としての開発へとシフトしました。

1998年にアメリカで、世界初のED治療薬として「バイアグラ」が販売されました。従来のED治療法と異なり、服用によって効果を得ることができるバイアグラは、多くの患者にとって画期的な治療薬となりました。現在ではバルデナフィル(レビトラ)やタダラフィル(シアリス)など他の有効なED治療薬も市場に存在しますが、シルデナフィルは今も世界中で広く使用されている強力な治療薬です。
  

シルデナフィルの働き

シルデナフィルは、勃起に必要な環状グアノシン一リン酸(cGMP)の分解を促す酵素、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5)を抑制することで、正常な勃起を促進します。

cGMPは陰茎の血管を拡張させる物質で、PDE-5は性的興奮が収まった後に血管を収縮させる役割を持ちます。これらは勃起のメカニズムにおいて重要な要素です。通常、男性は性的刺激を受けると、脳からの信号で陰茎の血管内でcGMPの生産が増加し、勃起が促されます。性的刺激が減少すると、PDE-5が分泌され、勃起状態が収まります。

しかし、PDE-5が過剰に分泌されると、cGMPの分解が早まり、勃起不全(ED)が発生します。シルデナフィルはPDE-5の活動を抑制することで、cGMPの分解を遅らせ、陰茎への血流を促進し、勃起の維持を支援します。この作用により、必要な硬度と持続時間のある勃起を達成することが可能になります。
  

シルデナフィルのED(勃起不全)改善効果は72%

シルデナフィルのED(勃起不全)に対する効果は、3種類の配合量別の錠剤を用いての比較と検証で有効性が認められています。

臨床実験においては、EDを患って3ヶ月経過した数十人の男性を対象に、25mg、50mg、100mgのシルデナフィル製剤を使用して勃起不全にどのような効果があるか確かなデータが集められました。

その結果、シルデナフィル50mg配合、あるいは100mg配合された製剤に72%のED(勃起不全)改善効果があることが実証されました。 25mg配合された錠剤を飲んだグループの改善率は58%ですので、どの成分量でも68%ものED患者に効果があるということになります。

日本人男性の場合、体格や体質の違いからシルデナフィル製剤の服用量は最大50mgとされています。 持病や服用にあたっての注意事項がなければ、50mg錠でより高い効果が得られるでしょう。

なお、シルデナフィルが含まれるバイアグラはED治療薬の筆頭として人気が高いですが、値段が安くタブレット錠やゼリータイプ、発泡錠などさまざまな形を選べるジェネリック医薬品を利用する人も多くいます。

早漏防止効果を持つダポキセチンとシルデナフィルが一緒に配合された治療薬だけではなく、女性の不感症治療薬である女性用バイアグラも開発されています。

  

バイアグラ(シルデナフィル)の服用方法・飲み方と注意点

服用時の最も重要なポイントは、空腹時に飲むことです。食後に服用すると、薬の成分が体内に吸収されにくくなり、食前(空腹時)に比べて効果が低下します。そのため、空腹時の服用を強く推奨します。

性行為の約1時間前に、水と共に服用してください。水が手元にない場合は、清涼飲料水やお茶でも構いません。ただし、脂肪分が含まれる飲料(例えば牛乳など)は避けてください。これらの飲料は薬の吸収を妨げる可能性があります。
特に、グレープフルーツジュースで服用すると、薬が過剰に効き、思わぬ副作用を引き起こす危険があるため、服用時は避けるようにしてください。また、錠剤を噛み砕いて服用することは、効果を早めることはなく、味が苦いだけですので注意が必要です。

薬の効果は服用後約4~5時間持続します。1日に1回の服用を守り、次の服用までは24時間以上の間隔を空けてください。

シルデナフィルの食事の影響

多くの人はバイアグラの有効成分が胃で吸収されると考えがちですが、実際は胃で溶けた後に十二指腸や小腸(空腸、回腸)で吸収されます。高脂質の食事を摂ると、腸内に脂の膜が形成され、薬の体内吸収が難しくなります。このため、食後に服用すると、空腹時に比べて効果の発現が遅れたり、効果が減少したりする可能性があります。そのため、可能な限り空腹時に服用することを推奨します。

ED薬が効かなかったと報告されるケースの多くは、食後に誤って服用した場合です。

バイアグラを食事の前、空腹時に服用すると、その後食事をしても薬の効果に影響はありません。例えば、18時からの食事で20時から性行為を予定している場合、17:30にバイアグラを服用すると良いでしょう。しかし、実際には性行為までの時間はパートナーの感情に大きく左右されるため、計画通りにはいかないことが多いです。行為が予定より遅れると、薬の効果持続時間(約5時間)を超える可能性があります。

したがって、食後に服用する場合が多くなるかと思います。その際は、焼肉、揚げ物、とんこつラーメンなど脂質の高い食事は避け、比較的あっさりした食事を摂ることをおススメします。
  

シルデナフィルのアルコールの影響

性行為において過度の緊張により勃起が抑制されてしまう方には、適度な飲酒が精神安定(リラックス)作用をもたらし、バイアグラの効果を最大限に引き出す可能性があります。しかし、過度にアルコールを摂取すると、脳への神経伝達が阻害され、勃起しにくくなるなど、効果が逆転してしまうリスクがあります。多くのお酒を飲む方は、このような経験があるかもしれませんので、ご自身の体験からも理解していただけるでしょう。

また、低血圧の方は、アルコールとバイアグラの両方による血管拡張効果が相乗して血圧が下がり、めまいやふらつきが生じる危険性があります。そのため、低血圧の方はアルコールとの併用を避けるべきです。さらに、お酒に弱い方がバイアグラとお酒を併用すると、バイアグラの血管拡張作用によりお酒が急速に回り、性行為どころではなくなる恐れがあります。このような理由から、お酒に弱い方はお酒との併用を避けた方が良いでしょう。お酒の飲み過ぎには十分注意してください。

  

シルデナフィルの副作用

  • 頭痛
  • ほてり
  • 潮紅
  • 鼻づまり
  • めまい
  • 胸焼け
  • 血圧の急な変動
  • 動悸
  • 頻脈
  • 不整脈
  • 興奮
  • 無気力
  • 記憶力低下
  • 疲労
  • 筋肉痛
  • 胃腸の不調(下痢、消化不良、胃部不快感、便秘、腹部膨満感)
  • 乾燥(皮膚の乾燥、口唇乾燥、皮膚のかゆみ、眼瞼のかゆみ)
  • 睡眠障害(傾眠、不眠症)
  • 視覚異常(彩視症、光視症、眼球充血、霞目)
  • 陰茎の異常(痛み、半勃起持続、射精障害)

シルデナフィルは全身の血管を弛緩させる作用を持ちますので、頭痛やほてりが比較的多い副作用として報告されています。 シルデナフィル製剤の服用による頭痛は12.74%、ほてりは10.19%となっています。 鼻の血管が拡張することで鼻づまりを引き起こすこともありますが、これらの症状は2〜3時間ほど経てば治るほど軽微なものです。

他には動悸、胸焼け、消化不良などが引き起こされることもありますが、いずれもED(勃起不全)改善効果があるために起こる一時的な症状です。

稀に見られる副作用として、4時間以上勃起が収まらない「持続勃起症(プリアピズム)」や、視界が青く見える視覚異常があげられます。 視覚異常の場合はほとんどが一過性のものですが、視力の低下を招く非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の危険性もありますので、急激な視力低下や視力喪失が現れた時は、ただちに眼科での診察を受けましょう。 持続勃起症(プリアピズム)のケースでは、放置していると陰茎に異常をきたし勃起できなくなるリスクもありますので、こちらもすぐに専門医の診察を受けるようにしてください。

  

シルデナフィルの禁忌事項と併用禁忌薬

シルデナフィルは心血管系に強力に作用する成分です。 そのため、使い方を誤ると命の危険につながる恐れがあります。

  • シルデナフィルの服用で過敏症の既往歴がある
  • 脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を半年以内に起こした
  • 心血管系の持病から性行為を止められている
  • 重度の肝機能障害を持っている
  • 低血圧症
  • 未治療の高血圧症
  • 網膜色素変性症

過去、シルデナフィルが配合された薬によってアレルギーやアナフィラキシーなど過敏症が現れたことがある人は利用できません。

脳梗塞、脳出血、心筋梗塞を半年以内に発症した方もシルデナフィル製剤の服用はできません。 心血管系障害の疾患・持病を持っていて医師から性行為を禁止されている場合も同様で、急激に血流をあげるシルデナフィルが性行為時の心臓や血管へ負担を増幅させるリスクがあります。

突然の血圧変動を避けなければいけない低血圧や、適切な治療がなされていない高血圧を患っている場合も、シルデナフィルの摂取は大変危険です。

また、肝硬変や急性肝炎など重度の肝機能障害を抱えている方も、シルデナフィルの作用が悪影響に変わるリスクが高くなります。 通常、吸収した成分は肝臓で分解され体外に排出されますが、障害により肝機能が働かなくなると血中のシルデナフィルの濃度が高くなり適度な効果が得られなくなるためです。

網膜色素変性症は遺伝性の網膜疾患ですが、罹患者の一部にPDE6のβサブユニット遺伝子異常を有します。 シルデナフィルの重い副作用に視覚障害の発症があることと、PDEにどのような作用をもたらすかの安全性が確認されていないことから使用が禁止されています。
  

シルデナフィルの併用禁忌薬

  • 硝酸剤か一酸化窒素供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなど)
  • アミオダロン塩酸塩(経口剤)
  • sGC刺激剤(リオシグアト)

ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど、狭心症や心不全の治療薬として使用される硝酸薬、一酸化窒素供与剤と併せて飲むと血圧の急な低下を招くことがありとても危険です。

アミオダロン塩酸塩は再発性不整脈に使われますが、シルデナフィルとの併用でQTcの延長も考えられるため同様に禁止されています。

また、肺高血圧症の治療薬であるsGC刺激剤(リオシグアト)も、低血圧が引き起こされることがありますので、自己判断で併用することはしないでください。

  

シルデナフィルの注意事項

ED(勃起不全)改善効果が高いシルデナフィルですが、注意事項も多くあります。 誤った服用で命に関わることもありますので、使用前に確認してください。
  

使用に注意がいる人

  • 65才以上の高齢者
  • 他のED治療薬を服用中の人
  • 自動車の運転や機械の操縦をする人
  • 陰茎に構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、ペイロニー病など)がある
  • 鎌状赤血球性貧血や多発性骨髄腫、白血病
  • 出血性疾患又は消化性潰瘍がある
  • 重度の腎障害がある
  • 肝障害を患っている
  • 多系統萎縮症(シャイ・ドレーガー症候群など)がある

高齢者は血漿中濃度が増加するため、血液中の成分を排出する機能低下によりシルデナフィルが悪影響を及ぼす危険があります。 使用する場合は、低用量から始めてください。

他のED治療薬との併用で効果が倍増することもありません。 反対に悪い相互作用を起こして血圧の急変を起こすこともありますので、併用はできません。

陰茎の構造に不具合がある場合も、性行為が困難であり痛みを伴う可能性があります。 鎌状赤血球性貧血や多発性骨髄腫や白血病を患っている人は、持続勃起症の起因となるリスクも存在します。

出血性疾患または消化性潰瘍はニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増幅させることが分かっていて、併用した場合の安全性が確認されていません。

重度の腎障害、および肝障害を持つ人においては血漿中濃度の増加が確認されています。 多系統萎縮症のある人には、血管拡張作用による低血圧の悪化のリスクも報告されているため慎重に使う必要があります。
  

併用に注意がいる薬剤

  • 降圧剤
  • カルペリチド
  • チトクロームP450 3A4阻害薬
  • チトクロームP450 3A4誘導薬
  • α遮断剤

アムロジピンなどの降圧剤は、高血圧の治療に用いられ降圧作用を増加させる治療薬です。 また、カルペリチドはシルデナフィルと同じ血管拡張作用のある薬剤ですので、併用により降圧作用をより高める危険性があります。

チトクロームP450 3A4阻害薬はケトコナゾール、イトラコナゾール、リトナビル、サキナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジンなどがあり、抗生物質や抗HIV薬、抗真菌薬など多くの薬に使われています。 代謝に影響するためシルデナフィルの血中濃度を濃くする弊害があります。 逆にボセンタン、リファンピシンなどチトクロームP450 3A4誘導薬は、代謝酵素を増やす働きから、シルデナフィルの血中濃度を低下させる可能性をはらんでいます。

α遮断剤は降圧剤の一種で併用により血圧低下をもたらし、めまいなどを引き起こす場合もあります。

副作用を悪化させる要因にもなるだけではなく生死に関わることもありますので、シルデナフィルを服用したい場合は医師に相談した上で、適切な指示のもと使うようにしてください。

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