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もっと見るミノキシジルは、もともと高血圧症治療のための血管拡張薬として開発された成分です。 後から発毛効果と脱毛抑制効果があることが分かり、1980年代になって発毛剤ロゲインとして販売されました。
男性型脱毛症(AGA)、女性男性型脱毛症(FAGA)どちらに対しても発毛効果が高く、脱毛を促すホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」生成の元になる酵素5αリダクターゼを阻害すると同時に、毛根にある毛母細胞を活性化させる作用があります。
頭皮に直接塗布する外用薬だけではなく、体内から効果を発揮する経口内服薬も出ています。
薬理効果が違うためフィナステリド配合薬とも併用でき、それぞれを別個に使用するよりも、脱毛症の改善効果が高くなります。
下記項目に当てはまる方のミノキシジル使用は禁止されています。
過去、ミノキシジルの配合された薬剤を使用して蕁麻疹や発疹、アレルギーなどの過敏症が現れたことのある方は使用できません。 再度の使用で、より重い症状に発展することもあります。
ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性型脱毛症)などに対して改善効果が現れます。 そのため、自己疾患障害や強いストレスによる脱毛症は原因が異なるため、使用しないでください。 特に、急激な脱毛や斑状の脱毛は、壮年性脱毛症ではない可能性が考えられます。
頭皮に傷、湿疹、炎症がある場合も悪化を防ぐために使用は控えましょう。 ミノキシジルは、あくまで健康な頭皮にだけ使用できる薬剤です。
未成年者や妊娠中の方の使用も、安全性が確認されていません。 授乳中は薬の成分が移ることがあり、乳児に危険を及ぼす可能性が高くなっています。 なお、妊婦であっても医師の判断のもと、高血圧症の治療薬としてミノキシジル配合薬が使用されるケースもあります。 いずれにせよ専門家の検査や診断によってされるものですので、自己判断での使用はおやめください。
褐色細胞腫は、血圧に関するホルモンが過剰分泌される事で高血圧症を発症する腫瘍です。 ミノキシジルが、このホルモンの分泌過剰を招く理由から高血圧症の内服薬との併用は厳禁とされています。
壮年性脱毛症治療剤や高血圧治療薬に配合されている成分で、AGA(男性型脱毛症)とFAGA(女性型脱毛症)のどちらにも効果があります。 脱毛症に対しては、頭頂部および髪の生え際など前頭部の脱毛抑止、また発毛・育毛効果が高く薄毛改善に有効です。 特に頭頂部についての改善率が高いため、AGA治療薬として世界中で使用されています。
AGA(男性型脱毛症)とは男性の壮年性脱毛症で、つむじ付近の頭頂部や生え際の前頭部から抜け毛が進行し、頭全体の毛髪が少しずつ薄くなっていきます。 男性であれば思春期を過ぎた頃から現れる疾患で、環境や遺伝によっては20代からかかることも珍しくありません。
FAGA(女性型脱毛症)は、男性のように頭頂部と前頭部から脱毛するわけではなく頭髪が全体的に薄くなっていきます。 加齢による女性ホルモンの減少に伴い脱毛を促す男性ホルモンが増加することで発症するため、ミノキシジルで脱毛を防ぎ発毛と育毛を正常にすることで、薄毛を回避する事が可能です。
ミノキシジルは患部に直接塗って使用する外用薬だけではなく、経口内服薬も作られています。 AGA治療においては外用薬が主に使われていますが、開発・販売は内服薬の方が先にされていました。 もともと、ミノキシジルは高血圧症改善のための降圧剤として開発されて成分でしたが、服用患者への発毛効果が認められた経緯から発毛剤としての販売がされるようになりました。
外用薬、内服薬それぞれの基本的な作用は変わりませんが、飲み薬であれば塗り薬では成分の浸透が難しい部分への発毛も促す事ができます。 また、一回一回直接塗布する外用薬より、水があればすぐ服用できる内服薬の方が外出時の利便性も高いと言えます。
ミノキシジルの発毛効果は、下記2点の作用によるものです。
頭皮への塗布や内服によってミノキシジルが浸透すると、まず血管平滑筋という血管を弛緩させて血流調整をおこなう細胞膜と結合します。 結合すると、アデノシン三リン酸(ATP)感受性チャネルという細胞内部と外部の通り道を開かせて、細胞の成長を促すATPという物質を血管平滑筋に流しこみます。 ATPが送り込まれた血管平滑筋は緩み、頭皮の血管拡張を促します。
以上の、ミノキシジルによる血管拡張作用で毛根へ栄養を送り毛髪の発育を促す作用によって薄毛が改善されます。
ミノキシジルは、毛髪の細胞分裂や増殖を担う成長因子(グロースファクター)の分泌を促進させる作用もあります。 ミノキシジルの働きで増加する、毛髪成長因子は次の3点です。
毛母細胞の増殖はこれらの成長因子があるためで、毛根を包んでいる組織である毛包の成長が毛髪の成長を進め、さらにATPが供給されることで毛母細胞の死滅を防ぐ事ができます。
日本での臨床試験は、薄毛部分に24週間ミノキシジルを塗る方法でおこなわれました。
ミノキシジルの継続使用で明確に薄毛が改善され、治験開始から8週目では10%、12週目では60%、24週目では患者の90%に発毛効果が認められました。
より細かい報告では、1cm四方の薄毛の変化として、太い毛髪の数+25.6本増加、総毛髪量+21.8本増加という目に見えて髪のボリュームが増えたというデータも残っています。
AGA治療薬としてのミノキシジル配合薬は、先発薬ロゲインをはじめとしていくつかの後発薬も販売されています。
脱毛症にかかっている女性を対象にしておこなわれた臨床試験でも、ミノキシジルは改善効果が高いという結果が出ています。 女性に対する試験では、男性の半分以下の成分量2%のミノキシジルを24週間継続して塗布しました。
薄毛部分1cm四方、太い毛髪の数+8.15本増加、総毛髪量+15.15本増加という効果が出ましたので、現在では女性用の薄毛改善発毛剤も多く販売されています。
比較的出やすい副作用は、頭皮のかゆみや発疹、頭痛、めまい、手足のむくみです。 湿疹、毛根上が白ニキビのような状態になる毛のう炎、かぶれは被験者全体の2.0%ほどの発症率で、かゆみや発疹など主な副作用は8.0%の人に発症したという報告がされていますが、いずれも一過性のものです。
かゆみ、粃糠疹などの発疹、かぶれ、赤みや紅斑、刺激感、乾燥、痛み、熱感、腫れ、分泌物といった塗布した箇所に出る副作用は、ミノキシジル製剤に配合されているアルコールにより皮膚に負担がかかるためと考えられています。 外用薬のアルコール濃度は高く、皮膚の弱い方はかぶれや炎症につながることがあるためご注意ください。
ミノキシジルの血管拡張作用が影響する副作用もあり、頭痛、めまい、血圧上昇、動悸、心拍数増加、手足のむくみが多く報告されています。 頭痛は、頭皮の血管拡張で神経を圧迫するために起こります。 また、血流の急激な変化に伴い動悸、めまい、血圧上昇などの状態になるケースも少なくありません。 手足のむくみは、全身の血管が拡がって血中濃度が急に下がることで、血管に含まれる水分が排出されるために引き起こされます。
ミノキシジルを服用し始めると、毛根の活性化に伴い古い毛髪が新しい毛髪に生え変わって成長していきます。 その流れで、一時的な脱毛症状である「初期脱毛」が現れます。
初期脱毛は副作用ではなく、ミノキシジルの作用が効き始めた証拠ですので、心配する必要はありません。
ミノキシジルを服用すると抜け毛の量が増えることがありますが、これは抜け毛が悪化したわけではなく発毛前の準備段階に入った「生え変わり」現象です。 抜けるのは成長が止まった毛髪ですので、毛根が活性化して正常なヘアサイクルのもと髪全体が生え変われば、脱毛症状はなくなります。 初期症状は長くても服用開始から1ヶ月程度で治るといわれています。
ミノキシジルは降圧剤としても使用されているため、高血圧症や低血圧症の方の使用は血圧への悪影響が懸念されます。 また、心機能障害か腎機能障害を持つ方も同じです。 ミノキシジルの血管拡張作用による血流増加で、心臓や腎臓に大きな負担がかかる恐れがあります。 特に狭心症や腎不全などを患っている方は、ミノキシジルの使用に注意してください。
むくみのある場合、症状が増幅することがあります。 ミノキシジルの継続使用では、体内の水やナトリウムの滞留を促してむくみが生じやすくなります。 高用量のミノキシジルを使用する高血圧症の治療では、水分の排泄効果を持つ利尿剤と併用してください。
遺伝的要因の大きい壮年性脱毛症は、身内に壮年性脱毛症がいる場合は発症しやすいといわれています。 そのため家族に壮年性脱毛症がいない方の脱毛の原因は生活習慣の乱れやストレス、別の疾患である可能性が高く、ミノキシジルは改善に役立ちません。
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症など甲状腺疾患は症状の一部に脱毛が報告されています。 甲状腺異常による脱毛にミノキシジルは効果がありませんので、使用前に確認してください。
ミノキシジルの副作用はそこまで強くありませんが、薬物の代謝機能が低下してくる高齢者の使用では、用法用量を守っていても意図しない副作用が現れるリスクがあります。 血圧の変動や他の疾患の増悪も招く場合もありますので、使用前に医師の判断を仰いてください。
何らかの薬や化粧品にアレルギー反応(かゆみ、かぶれ、発疹、発赤)が出たことがある方は、ミノキシジル配合薬の使用に注意しましょう。
ヒドララジンなどの血管拡張薬は、同じ作用を持つミノキシジルとの併用で強力な降圧作用を誘発するリスクがあります。 国外で重篤な高血圧症治療に用いられるグアネチジンにも注意してください。 血圧の急速なコントロール作用があるため、併用で起床時や立ち上がった時の急激な血圧低下を引き起こす起立性低血圧が生じるおそれがあります。
トレチノイン、アントラリンなどの角質層の障壁に作用する薬剤は、ミノキシジル外用薬が吸収される角質層に変化をもたらし、吸収率を増加させることがあります。 血中濃度が過剰に上がることで副作用が強く現れることもあり危険です。
皮膚炎や湿疹、乾癬などの治療薬に使われるベタメタゾンジプロピオン酸エステルは、ミノキシジルの吸収率を下げてしまいます。 塗布した箇所の成分濃度は高まりますが、血管への浸透率が下がるため効果も減少します。