お知らせ:[2023-07-28] 【重要】『お薬市場』リニューアルオープン!&旧サイト会員様へ会員に関するご案内
もっと見る生理は、生きていくうえで避けることができない女性ならではの自然現象です。生理に伴って生理痛やPMSなどの症状に多くの女性が悩まされています。これらの症状を改善するのに役立つのが低用量ピルです。しかし、低用量ピルには血栓症が起こるリスクがあります。血栓症と聞くと「怖いから飲むのを止めておこうかな」と感じる方がいるかもしれません。
また、「血栓症ってどのような病気なの?」と思っている方もいるでしょう。そこで今回は、低用量ピルの副作用で起こることのある血栓症の症状や予防法について詳しく解説します。
低用量ピルとは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンを組み合わせて作られた飲み薬のことです。ピルにはいくつか種類がありますが、卵胞ホルモンの量が0.05mgより少ないものを低用量ピルと呼んでいます。
薬には、必ずと言っていいほど何かしらの副作用があります。低用量ピルも例外ではありません。
ここでは、低用量ピルの一つであるトリキュラーの副作用について詳しく見てみましょう。
副作用が起こる頻度 | 症状 |
5%以上 | 下腹部痛、乳房緊満感、悪心、嘔吐、頭痛 |
1~5%未満 | 浮腫、体重増加、下痢、腹痛、めまい、片頭痛 神経過敏、ざ瘡、腰痛、倦怠感、疲労 |
1%未満 | 発疹、蕁麻疹、肝機能異常、帯下の増加、カンジダ膣炎、乳房痛、動悸 血圧上昇、便秘、食欲不振、食欲亢進、口内炎、口渇、眠気 抑うつ、褐色斑、湿疹、肩こり、息切れ、性欲減退、鼻出血 |
頻度不明 | 網膜血流障害による視力障害、黄疸、不正性器出血、色素沈着 しびれ、総コレステロール上昇、トリグリセリド上昇 |
このほか、重大な副作用として血栓症が報告されています。血栓症が起こる頻度は不明です。
低用量ピルの服用は、以下のような方に向いています。
生理痛やPMSなどの改善に低用量ピルは効果的です。避妊効果や肌荒れの改善効果もあります。低用量ピルは毎日決まった時間に服用する必要があるため、規則正しく服用することが必須です。
次のような方には、低用量ピルの服用は向いていません。
血栓症のリスクが高い方が低用量ピルを服用すると、血栓症を起こしやすくなります。リスクがどれくらい高いのかを知りたい方は、婦人科で血液検査を受けましょう。
肝臓や腎臓の働きが落ちている方も服用できません。低用量ピルの代謝や排泄が遅れて血中濃度が必要以上に上がり、副作用が起きやすくなるためです。
35歳以上でタバコを一日15本以上吸う方は、血栓症を起こすリスクが高くなるので服用できません。
どの低用量ピルを服用しても、副作用として血栓症が起こるリスクがあります。血栓症がどのような病気なのかご存知ですか?ここでは、血栓症の症状や予防法について紹介します。
血栓症とは、血の塊である血栓が血管に詰まる病気のことです。血栓が詰まると、血液がスムーズに流れなくなるため、さまざまな影響が出ます。できた血栓が詰まる部位によって脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓、深部静脈血栓症などを引き起こすため、注意が必要です。
血栓症になると、次のような症状を起こすことがあります。
このような症状が見られた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。突然発症するため、早期発見は難しいと言われています。症状を放置すると血栓が脳や肺に詰まる恐れがあるため、なるべく早めの対処が必要です。
以下に該当する方は、低用量ピルによる血栓症を起こすリスクが高いと言われています。
血栓症を予防するためには、血液がドロドロにならないように十分な水分補給を行うことが大切です。血液の粘度が高くなると、血栓ができやすくなります。長時間にわたってデスクワークをしたり乗り物で移動したりする方は、時々で良いので足首を伸ばしたり脚のマッサージを行ったりしましょう。喫煙している方は、禁煙を心がけてください。少しでも吸う方は血栓症のリスクが高まります。バランスの取れた食事を摂り、適度な運動を行って生活習慣病を予防することも血栓症の予防に効果的です。
生理は約28日に1回の周期で閉経するまで訪れるものです。女性は約28日に一度、排卵します。排卵が起こると、卵子がいつ受精してもいいように子宮内膜が厚くなります。受精しなければ、子宮内膜は必要ありません。そこで子宮内膜を体の外に出すことになります。これが生理です。
生理に関して何らかの悩みを抱えている女性は、なんと約80%と言われています。非常に多くの女性が、生理に対して悩みを抱えながら日常生活を送っているのです。
生理中は、子宮を収縮させて体の外に子宮内膜を押し出すために、プロスタグランジンという物質が多く分泌されます。このプロスタグランジンの量が多いと、子宮の収縮が過剰になって生理痛が強くなってしまうのです。生理痛に悩まされている女性はとても多く、鎮痛剤を服用しないと生活がままならない方もいます。
PMSとは、月経前の約3~10日にわたり続く身体的もしくは精神的な症状のことです。おもに次のような症状が見られます。
症状は多岐にわたります。見られる症状は人それぞれです。不快な症状がしばらく続いた後、生理が始まると次第にやわらいでいきます。
月経困難症や子宮内膜症などの病気を抱えている女性も少なくありません。月経困難症とは、日常生活に支障を来すほど生理痛などの症状が強く出ている状態のことです。子宮内膜症は、子宮以外の場所に子宮内膜の組織が増えてしまう状態を指します。これらの病気がある場合は、早めに婦人科を受診して治療を行うことが大切です。
「低用量ピルは血栓症のリスクがあるから怖い」と感じている方も多いでしょう。しかし、低用量ピルは正しく使えば非常に有用な薬です。
リスクが心配な方は、婦人科で血栓症になりやすいか検査をしてもらってから低用量ピルの服用を始めると安心でしょう。一般に低用量ピルと聞くと避妊をイメージされる方が多い傾向にありますが、そのほかにも多くの効果があります。
低用量ピルを服用すると、排卵が抑制されます。また、子宮内膜が着床に向けて分厚く成長することができなくなるため、避妊効果が発揮されるのです。低用量ピルによる避妊効果はとても高く、100人の女性が一年間で何人妊娠するかを調べたデータでは、わずか0.3人という結果が出ています。
排卵を抑制し子宮内膜の増殖を防ぐ効果があるため、生理痛を軽減することもできます。月経困難症や子宮内膜症の治療も可能です。
PMSの原因は明らかにされていませんが、一般に黄体ホルモンと卵胞ホルモンが増減することによって起こるとされています。低用量ピルを服用すると女性ホルモンの増減の波が少なくなるため、PMSの症状を抑えることが可能です。
低用量ピルを服用すると、決まったタイミングで生理が来るようになります。そのため、生理周期を安定させられるのです。いつ生理が来るのかが分かるようになるため、日頃の予定も立てやすくなるでしょう。
生理前後に肌荒れしやすいのは、黄体ホルモンの量が増えるためです。黄体ホルモンには皮脂の分泌量を増やす働きがあるため、肌荒れしやすくなります。低用量ピルを服用すると黄体ホルモンの分泌量が減ることから肌荒れを予防できるのです。
低用量ピルの服用によって卵巣がんや子宮体がんのリスクが軽減することが分かっています。ただし、HIVやクラミジアなどの性感染症を防ぐ効果はありません。性感染症を予防したい場合は、コンドームの併用をおすすめします。
低用量ピルにはいくつか種類があります。ここでは、4種類の低用量ピルについて特徴を見ていきましょう。
トリキュラーは第2世代、3相性の低用量ピルです。黄体ホルモンとして、レボノルゲストレルが配合されています。3相性のため、ホルモン配合量の異なる3種類の錠剤を服用する必要があります。生理周期に合わせたホルモン量に調節されているため、不正出血が起こりにくいことが特徴です。
ヤーズは卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールの量が0.02mgと少ないため、超低用量ピルと呼ばれています。超低用量ピルのため副作用が起こりにくいことがメリットです。休薬期間が4日間と、ほかのピルよりも短くなっています。
ヤスミンは黄体ホルモンとしてドロスピレノンが配合された、第4世代1相性の低用量ピルです。すべての錠剤に含まれているホルモン量が一定のため、飲み間違える心配がありません。また、男性ホルモン作用が抑えられていることから、ニキビができにくいと言われています。
黄体ホルモンとしてデソゲストレルが配合されている第3世代1相性の低用量ピルです。第3世代の低用量ピルは、皮脂の分泌量を減らせることからニキビの治療にも用いられます。1相性なので錠剤によるホルモン量の変化がなく、飲む順番を間違えても影響がありません。
血栓症とは、血栓が血管に詰まる病気のことです。低用量ピルを服用すると、まれにですが血栓症を起こすことが報告されています。とはいっても、頻度はそれほど高くありません。
しかし、血栓症が不安で低用量ピルの服用をためらっている方もいるでしょう。そのような場合は、婦人科で血栓症のリスクを見てもらう血液検査をしてもらうと安心です。
低用量ピルは決して怖い薬ではありません。生理痛やPMSなどの改善にも効果がありますので、正しく使用して快適な毎日を手に入れましょう。