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オルリスタット

オルリスタットは、脂肪の消化吸収に関わるリパーゼという酵素の働きを阻害する成分です。

リパーゼが阻害されると脂肪の吸収も妨げられ便と共に体外に排出されます。
これにより、厳しい運動や食事制限をしなくても、脂肪の摂取量を減らし肥満を軽減することが可能です。

アメリカでの治験では、1年間ほどオルリスタットを服用した成人の60%に総体重の5%以上の軽減が見られました。
10%前後の体重減少が確認されたのは27%ほどで、過半数の方に優れたダイエット効果が確認されています。

オルリスタットの禁忌事項

  • オルリスタットにアレルギー反応を起こしたことがある
  • 吸収不良症候群を患っている
  • 胆汁鬱滞がある
  • 妊娠、または授乳中の方

オルリスタットを含む医薬品や食品の使用で過敏症を起こしたことがある方は、使用しないでください。
オルリスタットには副作用として発疹や蕁麻疹、血管浮腫、全身のかゆみ、気管支痙攣、アナフィラキシーなどがあり、アレルギー反応によりこれらの症状がより酷く発現する可能性があります。

特発性脂肪便症や熱帯性スプレー症など吸収不良症候群にかかっている方もオルリスタットを摂取できません。
オルリスタットは脂肪吸収を抑える働きがあるため、栄養不良や脂肪便などを悪化させる恐れがあります。
このことから、脂肪消化に関わる胆汁の流れが滞っている方や、胆汁鬱血の要因となっている肝臓疾患を患っている方も使用はお控えください。

また、妊娠している場合は胎児の生育に悪影響を及ぼすリスクが高く、さらに母乳を介して乳児に成分が伝わるリスクも指摘されています。

オルリスタットの併用禁忌薬

  • シクロスポリン
  • ワルファリンなどの抗凝固剤

臓器移植などで使われている免疫抑制剤のシクロスポリンは、オルリスタットとの相乗効果で血中のシクロスポリン濃度を低下させる恐れがあります。
臓器移植の拒絶反応が高まり、とても危険ですので併用できません。

血栓塞栓症の治療に用いられるワルファリンなど抗凝固剤は、血液が固まるまでのプロトロビン時間(INR)に影響します。
心筋梗塞や脳梗塞など重い血栓塞栓症では血液の凝固を抑えられなくなるリスクが高いため、決して併用しないでください。

オルリスタットの効果

肥満症や診断されていない肥満の予防
摂取した脂肪の吸収を妨げタンパク質・炭水化物の吸収は阻害しません。

オーリスタットとも呼ばれるオルリスタットは、脂肪吸収抑制剤の一種で肥満症の治療に用いられています。

食事を摂るタイミングで摂取すると胃腸から脂肪が吸収されることを抑えられるため、揚げ物や脂肪分の多い食事を摂りながらダイエットしたい方、肥満や生活習慣病を予防したい方に有効です。

食事中の脂肪を最大で30%カットすると言われていて、タンパク質や糖質、炭水化物など他の栄養の吸収は阻害しません。
そのためダイエットで起こりやすい栄養バランスの乱れや体への負担もなく、さらに腸に効くため依存性がない安全なダイエット剤です。

脂の多い中華料理や焼肉などは特にオルリスタットの効果が高く、反対に脂肪分の少ない野菜中心の食事の時は飲まないという使い方もできます。

なお、オルリスタットの効果はその時食べたものの脂肪吸収の抑制です。すでに身についている内臓脂肪や皮下脂肪を減らす働きはありません。

オルリスタットの臨床試験で確認された87%のダイエット成功率

オルリスタット臨床試験でのダイエット成功率

脂っこい料理が多く肥満症の多いアメリカでおこなわれたオルリスタットの臨床試験では、非常に優れたダイエット効果が認められました。

試験内容は564人に対して1年間おこなわれ、元の体重の5%が減った人は全体の60%、10%減量した人は27%ほどで、トータルでは87%の肥満症に悩む方がダイエットに成功したと言います。

オルリスタットを配合したダイエット薬ゼニカルのメーカーの発表によると、個人差はあるものの平均して-5.7kgの減量効果があり、食事制限と運動によるダイエットの2倍効果的に痩せられるというデータもあります。

ゼニカルには同じオルリスタットが配合されながら低価格で購入できるジェネリック医薬品も出ているため、経済的な負担を減らしてダイエットしたい方にはそちらもオススメです。

消化酵素の脂肪分解を妨げるオルリスタット

オルリスタットが脂肪分解酵素の働きを阻害する作用のイメージ

オルリスタットは体内に吸収されると脂肪を消化する酵素リパーゼの働きを抑えます。

脂肪は腸で体に吸収しやすい大きさに分解されて体に取り込まれますが、オルリスタットを同時に、または食後1時間以内に摂取することでリパーゼの分泌するタイミングに作用し脂肪の分解を抑えることができます。

オルリスタットがリパーゼの中にある活性セリンという成分と結合することで脂肪の吸収率が下がり、分解されなかった脂肪は48時間以内にそのまま便として体外に出るため体への悪影響もありません。

オルリスタットの副作用

  • 油班
  • 急な便意
  • 排泄時のガス
  • 油分の多い便
  • 油排泄
  • 排便回数の増加
  • 便失禁

重大な副作用

  • 肝障害
  • 腎障害
  • 胆石症

オルリスタットの摂取で起こる副作用は、腸に作用するため下痢や放屁の増加、油便など消化・排泄器官に関するもので、ほとんどが一過性のもので悪化せず解消します。オルリスタットが働いているため起こる副作用ですので、軽度のものであれば問題ありません。

服用期間が長くなるにつれ副作用は軽減されていきますが、油分を含む便が出やすくなるため生理用ナプキンを装着して下着が汚れない対策を取りましょう。

なおオルリスタットはビタミンAやD、E、K、βカロテンなど脂溶性ビタミンの吸収も妨げるため、ある程度長期間の使用ではビタミン不足による肌荒れや倦怠感が現れます。ビタミン欠乏症を予防するために、オルリスタットの服用2時間前後はビタミンサプリメントを飲んでビタミンを補うことをお勧めします。

非常に稀ですが、肝機能障害や腎機能障害、胆石症の発症を招くこともあります。白目部分や皮膚が黄色っぽくなったり皮膚のかゆみや倦怠感、尿量の減少、背中の痛み、血尿、手足の浮腫、みぞおち中心の強い痛み、右肩および背中の圧迫感や痛み、吐き気、嘔吐感などが生じた場合は、オルリスタットの服用を止めて医療機関での治療を受けてください。

オルリスタットの注意事項

  • 腎疾患を患っている
  • 高齢者
  • 糖尿病を治療中

オルリスタットは高シュウ酸尿症やシュウ酸腎結石の発生を招きやすいため、無理な使用で重度の腎不全を起こすリスクが報告されています。そのためもともと腎機能が弱っていたり疾患を抱えている方はオルリスタットを慎重に使ってください。

高齢者は腎臓での成分の分解と代謝機能が低下しているため、オルリスタットが強く効きすぎて副作用も出やすくなります。
腎疾患がなくても腎臓が弱っている方は予想外の影響が出る可能性がありますので、医師に相談した上で服用量や服用回数を決めましょう。

また糖尿病にかかっている方がオルリスタットを使用する場合、定期的な血糖値の確認が必要です。
オルリスタットのダイエット効果で血糖コントロールが改善する例もあり、その値と症状に応じた治療が必要になるため、細やかな報告を忘れないようにしてください。

オルリスタットとの併用に注意が必要な薬

  • レボチロキシン
  • アミオダロン
  • 抗てんかん薬
  • 抗レトロウイルス薬
  • アカルボース

甲状腺機能低下症に使われるレボチロキシンはオルリスタットとの併用で効果が減るということが分かっています。
レボチロキシンを用いた治療をおこなっている時は、甲状腺機能の検査を受けてかかりつけ医の指示を守って服用してください。

アミオダロンは不整脈に使われていて、成分吸収の妨げになりこちらも効果の減退が確認されています。
抗レトロウイルス薬などHIVおよび他のウイルス感染症との併用でも薬の効果を大きく低下させるため、併用は避けましょう。

また抗てんかん薬との併用でてんかん発作の発症率が高まることが分かっています。

2型糖尿病の治療に用いられるアカルボースも併用で成分の減弱につながるため、使用中は事前にオルリスタットの服用ができるか医師に確認してください。